マスク
Mask
口罩
口罩
마스크

1970年頃の公害問題をユーモラスに風刺した作品
A humorous satire on environmental pollution issues around 1970.
以幽默的手法諷刺了1970年前後公害問題的作品
作品幽默地讽刺了1970年前后的公害问题
1970년경 공해문제를 유머 있게 풍자한 작품
洞窟らしい空間の中に赤ずきんとオオカミ、それに13人の坊主頭の人物が押し合いへし合いしている。全員がマスクをしていて、まるでインフルエンザが流行中のように見える。ところが画面右上の黒いラベルのような部分に「亜硫酸ガス濃度0.21PPM、一酸化炭素濃度0.14PPM、ここの騒音70ホン」という文字があり、彼らがマスクをつけているのは大気汚染を避けるためだとわかる。この作品が描かれた1970年頃は光化学スモッグなどの被害が問題とされはじめた時期である。
桂ゆきは1930年代からシュルレアリズムを意識することなくコラージュの手法を用いて前衛的な絵画を描いてきた。「女には才能は不要のもの」という当時の社会通念に真っ向からぶつかるのではなく、ユーモアの衣をかぶせながら社会の中の権威を笑い、矛盾を突くような絵を描いた。しなやかで頼もしい女性画家の先駆者である。