マイセン磁器コレクション

伊東直子 マイセン磁器コレクション

《色絵楽奏猿群像「猿のオーケストラ」》 1766-18世紀末

マイセン磁器は、ロココ芸術の爛熟期にあった18世紀ヨーロッパの宮廷文化を背景に、絵付師ヘロルトや宮廷彫刻家ケンドラーなどの活躍により、華麗な色彩と豊かなフォルムを特徴に発展し黄金期を迎えました。以来300年、現在もなお盛んに製作が続けられ、その作品は人々を魅了してやみません。

当館は2007年に、故・伊東直子氏が蒐集された珠玉のマイセン磁器コレクションを90点ご寄贈、23点を寄託いただきました。その内容は、18世紀初頭にドイツ・ザクセンのアウグスト強王の命を受け、錬金術師・ベットガーが発明した「ベットガー炻器」にはじまり、東洋への憧れを物語る「柿右衛門様式」や「シノワズリー(中国趣味)様式」の飲食器、宮廷生活を彩った18世紀ロココ様式の彫像から、20世紀初めのアール・ヌーヴォーに至るまで網羅されています。とくに、マイセンがもっとも隆盛を極め、芸術性を高めた18世紀半ばまでの作品を多数含んでいる点では、質量ともに国内稀に見るマイセン・コレクションといえます。

さらに本コレクションには、優れた描写力で22体の猿の個性を表した「猿のオーケストラ」も含まれています。猿たちのコミカルなまでに高揚した熱気、演奏者の絶妙な動きがあますところなく表され、数々の優品を生み出したケンドラー時代の彫像の特徴をもっともよく伝える名品です。

マイセン磁器展示室では113点の作品の中から、テーマに沿って年4回、一部を展示替えしながら20数点ずつ紹介します。ヨーロッパの宮廷文化により育まれた、華麗なるマイセン磁器の美の世界をお楽しみください。

※展示替えのため、掲載作品を展示していないことがありますが、ご了承ください。

《黒地ベットガー炻器赤絵金彩人物図瓶》
1710-15年頃
《色絵人物図カップ&ソーサー》
1730-40年代
《色絵獅子昆虫花鳥図ズルコウスキー・オツィエルレリーフ皿》 
1735-45年頃
《色絵神話人物像「ウェヌス、アドニスとクピド」》
1750-60年代
《金地色絵花卉図ソリテール》
1760年代(寄託)
《色絵女性坐像「商人の妻」》
19世紀後半または20世紀初頭(寄託)

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