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桂ゆき

KATSURA, Yuki
桂 YUKI
桂 YUKI
가츠라 유키

1950(昭和25)年
カンヴァス、油彩
91×116.5cm


戦後日本を代表する女性画家による女性の姿

A picture of women painted by a leading female artist of postwar Japan.
戰後日本女性畫家的代表所描繪的女性姿態
战后日本女性画家的代表所描绘的女性姿态
전후 일본을 대표하는 여성작가가 그린 여성의 모습


いくつかの小画面がつなぎ合わされているような印象を与える。それぞれの部分には顔を見せずに横たわっている裸婦、リボンをつけた猫、崩れかけた建築物のようにも何かの木工品のようにも見える物体が描かれている。大きなほうの裸婦のそばにはカブ、ニンジン、玉ねぎ、長ねぎ、レモンなどがころがっている。顔を見せないふたりの女は何事かを嘆いているようにも、あるいは疲れ果ててただ眠っているようにも見える。その身体は豊満である。厚い脂肪を蓄えた腹は深い皺を刻み、その皺は女たちの敷くシーツの皺へと続いていく。大きな戦争が終わって5年、さまざまな悲嘆の後にも女たちは食物を摂り、脂肪を蓄え、明日のくらしのために体を横たえる。諧謔味を帯びた作品の多い桂であるが、この作品にはあからさまな諧謔や揶揄は見られない。自らもその性を同じくする女たちへの、ただ深いまなざしがそこにある。