龍虎図
Dragon and Tiger
龍虎圖
龙虎图
용호도

栃木県出身の画家が描いた中国に伝わる神秘的な動物
Traditional Chinese mystical animals painted by an artist from Tochigi.
出身於栃木県的畫家, 描繪了由中國流傳而来的神秘動物
出生于栃木县的画家, 描绘了由中国流传而来的神秘动物
도치기현 출신 화가가 그린 중국에서 전해 오는 신비한 동물
龍は、中国先史時代の揚子江流域で、雨や水流と関係の深い天に昇る神秘的な動物と信じられていた。漢時代以降、東の青龍・西の白虎・南の朱雀(鳳凰)・北の玄武(亀と蛇)が四神とされ、絵画にも描かれるようになる。宋時代には陳容など龍を専門とする画家も登場し、『易経』にある「雲は龍に従い、風は虎に従う・・・」の一節が絵画化されて広く流布する。寛方は「・・・従来の表現された筆法を習踏せずに新しい表現を試み度い、勿論色彩的なものでなく墨の素描で生かすつもりである」と、この作品の制作当初に語っている。確かに陳容や牧谿など日本で流行し描かれてきたタイプの龍虎図とは違う。結果として龍虎図のもつ神秘性が損なわれてしまった感があるが、寛方の新案追求という点で非常に興味深い作品である。また、本図制作の背景として、朝鮮王朝を訪れた際に実見した壁画からの影響も考えるべきであろう。再興第18回院展出品作。