企画展

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、1月29日(土)に予定されていた企画展「日本画のゆくえ」の開会式およびギャラリートークは中止となりました。なお、展覧会は通常の会期で開催いたします。

日本画のゆくえ
-継承と断絶・模倣と創造

開催期間 2022年1月29日[土]-3月21日[月・祝]

幕末から明治への転換はわが国にとって実に劇的なものであった。日本が近代国家として世界へはばたくための経済政策を推進するにあたり、さまざまな方面で西洋の技術を導入することになる。国の近代化は「美術」という新しい概念とともに日本の絵画界にも押し寄せた。18 世紀後半に現れた司馬江漢らによる洋風画は、伝統的日本絵画の流れの上にある西洋画法の和様化ともいえるが、日本絵画の近代化は、西洋絵画芸術にとって必須である「光と影」を表現する写実的な油彩画の本格的導入をひとつの方法とした。 その西洋絵画(日本における洋画)の対概念として、国の名を冠した「日本画」という用語が明治20年代には定着したといわれている。その契機となったのが、1882(明治15)年にフェノロサが龍池会の講演会で「Japanese Painting」と称して展開した「日本画優位論」だった。その後、「日本画」は日本の「公絵画」としてのスタイルを模索する時代に入る。フェノロサの側近であった岡倉天心らによる日本美術院を中心とした新派は、西洋の絵画に負けない独自の表現形式を目指し、それに反する日本美術協会(龍池会を前身)ら保守系美術団体による旧派は、近世までの流派や画系の伝統を継承していくことになったのである。
 それから時を経た現在、「日本画」は日本の「公絵画」としてのスタイルをもつに至ったのだろうか。「日本画」は、「日本の絵画の総称」として用いられる場合が多いが、果たしてそれでよいのだろうか。また、技法的側面からすれば顔料を膠で溶いて彩色する「膠彩画」を「油彩画」と対峙させて用いるべきなのではないか。
 本展では、現在日本画家として活動する気鋭の画家たちによる作品を通して、明治・大正・昭和の激動期から平成を経て令和に至る「日本画」が、その歴史上に今も存在するのか、それともピリオドを打ったのか、もしくは「新しい日本画」が誕生したのかということを問いかけたい。

開催場所: 企画展示室
観覧時間: 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日: 月曜日(2022年3月21日は開館)
観覧料: 一般 900(800)円、大高生 600(500)円、中学生以下無料
*企画展観覧券でコレクション展もご覧いただけます。
*( )内は20名以上の団体料金
主 催: 栃木県立美術館
後 援: 朝日新聞宇都宮総局、NHK 宇都宮放送局、エフエム栃木、産経新聞社宇都宮支局、下野新聞社、東京新聞宇都宮支局、とちぎテレビ、栃木放送、日本経済新聞社宇都宮支局、毎日新聞社宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局

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