企画展

菊川京三の仕事
―『國華』に綴られた日本美術史

開催期間 2019年11月2日[土]- 12月22日[日]

現在も刊行が続く日本初の本格的な美術研究誌『國華』(1889(明治22)年創刊)の複製図版制作者として活躍した日本画家・菊川京三(きくかわ きょうぞう、1897-1985)を紹介する展覧会です。菊川は、栃木県下都賀郡間々田大字粟宮(現・小山市粟宮)で幼少期を過ごし、1915(大正5)年、20歳で画家を志し日本画家の池田輝方に入門します。大正10年、同じく栃木県氏家町(現さくら市)出身の日本画家・荒井寛方の紹介で『國華』を刊行する國華社に入社し、創刊以来『國華』の顔となっているコロタイプ応用の木版印刷による複製図版の模写制作に専念することになります。関東大震災や東京大空襲などで社屋は罹災し貴重な資料や写真を失いましたが、その間菊川は模写のみでなく会計や庶務にいたる煩雑な事務もこなし復興に尽力し、歴史ある美術研究誌の刊行に半生を賭しました。1981(昭和56)年に84歳で退社するまで國華社への勤続は60年に亘りました。昭和41年には、長年従事した複製図版作成の技術と成果が東洋美術の学術研究へ大いに貢献したことにより、紫綬褒章を受章しています。

1977(昭和52)年に菊川本人から栃木県立美術館に寄贈された600点を超える複製図版とその版下類から選りすぐった作品を中心に展示し、日本最古の美術研究誌『國華』を支えた菊川京三の技術と仕事をご紹介します。

開催場所: 企画展示室
観覧時間: 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日: 月曜日、11月5日(火)(11月4日(月・振休)は開館)
観覧料: 一般 900(800)円、大高生 600(500)円、中学生以下無料
*企画展観覧券でコレクション展もご覧いただけます。
*( )内は20名以上の団体料金
*11月3日(日・文化の日)は観覧料無料
主 催: 栃木県立美術館、國華社
後 援: 朝日新聞宇都宮総局、NHK宇都宮放送局、エフエム栃木、産経新聞社宇都宮支局、下野新聞社、東京新聞宇都宮支局、とちぎテレビ、栃木放送、日本経済新聞社宇都宮支局、毎日新聞社宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局
菊川京三
《伊藤若冲 葡萄双鶏図(部分)》
[『國華』859号、1963年掲載]
菊川京三
《英一蝶「雑画帖」のうち〈荘子胡蝶の夢〉》
[『國華』511号、1933年掲載]
菊川京三
《葛飾北斎 千絵の海 宮戸川長縄》
[『國華』670号、1948年掲載]
菊川京三
《葛飾北斎 鷽垂桜》
[『國華』672号、1948年掲載]
菊川京三
《喜多川歌麿 美人図》
[『國華』452号、1928年掲載]
菊川京三
《雪村周継 観音拝宝塔図(部分)》
[『國華』752号、1954年掲載]
菊川京三
《伝野々村仁清 帆掛船置物》
[『國華』554号、1937年掲載]
菊川京三
《東洲斎写楽 嵐龍蔵図》
[『國華』661号、1947年掲載]
菊川京三
《湯女図(部分)》
[『國華』525号、1934年掲載]
菊川京三
《与謝蕪村 叡岳望眺図》
[『國華』818号、1960年掲載]

バーチャルツアー

イベントカタログ販売ご利用案内アクセス