企画展
没後30年 鈴木賢二展
昭和の人と時代を描く―プロレタリア美術運動から戦後版画運動まで

開催期間 | 2018年1月13日[土]- 3月21日[水・祝] |
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市井の人々をいきいきと描いた鈴木賢二(1906-1987)は、版画家として、彫刻家として、そして漫画家として、昭和という困難な時代を駆け抜けました。その優れて前衛的な造形は、近代美術史のなかでも存在感を示しています。
栃木県下都賀郡栃木町(現・栃木市)に生まれ、のちに北関東の戦後版画運動を担った鈴木賢二は、1925年に東京美術学校(現・東京藝術大学)の彫刻科に入学後、プロレタリア美術運動に熱中し、漫画やスケッチで人物表現に秀でた才能を発揮しました。
1932年暮れ頃に栃木へ帰郷してからは彫刻家として活躍し、やがて第三部会の会員にもなったほか、工芸やエッチング制作など、多彩な分野への挑戦を試みています。
第二次世界大戦後には、社会運動にかかわった木版画を多く制作し、日本国内にとどまらず、中国や旧ソビエト連邦ど、国際的な広がりのなかで活動しました。そのメッセージ性の強い版画によって平和を希求し、懸命に生きる人々の側に立ち続けました。
ときに時代の波に翻弄されながらも、生涯にわたって、農村に生きる人々や都市の労働者たちに温かい眼差しを向け、そして快活な子どもたちを慈しみ深くとらえ続けた美術家です。
本展は、鈴木賢二版画館 如輪房の全面的な協力を得て、初期から晩年までの全貌を紹介するものです。版画、彫刻、工芸、資料など約350点で構成し、栃木市ゆかりの美術家を回顧します。
開催場所: | 企画展示室 |
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観覧時間: | 午前9時30分から午後5時まで(入館は午後4時30分まで) |
休館日: | 月曜日(ただし、2月12日(月・祝)は開館)、2月13日(火) |
観覧料: | 一般 800(700)円、大高生 500(400)円、中学生以下無料 *企画展観覧券でコレクション展もご覧いただけます。 *( )内は20名以上の団体料金 |
主 催: | 栃木県立美術館、下野新聞社 |
特別協力: | 鈴木賢二版画館 如輪房 |
後 援: | 朝日新聞宇都宮総局、NHK宇都宮放送局、エフエム栃木、産経新聞社宇都宮支局、東京新聞宇都宮支局、とちぎテレビ、栃木放送、日本経済新聞社宇都宮支局、毎日新聞社宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局 |
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《見つめる》 1962年頃 鈴木賢二版画館 如輪房蔵 |
《馬》 1962年頃 鈴木賢二版画館 如輪房蔵 |
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《水ぬるむ》 1933年 個人蔵 |
《哺乳》 1936年 鈴木賢二版画館 如輪房蔵 |
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《挿絵原画「こんなつもりでいるわたし!」 『労働戦線』1947年1月1日刊》 1946年12月頃 鈴木賢二版画館 如輪房蔵 |
《益子焼薬がけ之図》 1956年 鈴木賢二版画館 如輪房蔵 |
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《スケッチ(母と子供たち)》 1947年頃 鈴木賢二版画館 如輪房蔵 |
《母と子(ソ連旅行スケッチ)》 1961年頃 鈴木賢二版画館 如輪房蔵 |
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《式根・新島・御蔵・三宅》 1961年 とちぎ蔵の街美術館 |
《人さらいはだれだ》 1963年 鈴木賢二版画館 如輪房蔵 |