企画展 

戦後70年:もうひとつの1940年代美術
ー戦争から、復興・再生へ
美術家たちは何を考え、何を描いたか。

左:朝倉摂《歓び》1943年 個人蔵
右:清水登之《題名不詳[待機]》(部分) 1938-42年頃 栃木県立美術館蔵

開催期間 2015年10月31日[土]- 2015年12月23日[水・祝]

1945年の終戦以来70周年にあたる2015年に、戦時下から敗戦、戦後復興と再生という激動の道を歩んだ日本社会の中で、美術家たちがどのような作品を作り続けたかを、栃木県出身画家や女性画家を軸にして振り返る企画展を開催します。

1930年代からいち早く戦地に赴き、その後従軍画家となった清水登之をはじめ、多くの画家が戦時下に国策に従って戦争画を描きました。一方、ふだん紹介されることの少ない女性画家たちも、戦時下には銃後の女性の労働を描いています。それが一転、敗戦により、GHQの占領下で日本が戦後復興と民主化の道をたどる中で、1940年代の後半はまったく違うイデオロギーに従って、画家たちも画題や作風を転換していくことになります。こうした絵画だけではなく、益子の濱田庄司や竹工芸の飯塚琅玕齋など、工芸家たちや北関東の木版画家たちの戦前・戦後の活動も併せてふりかえってみます。彼らは何を考え、何を表現したのでしょうか。洋画、日本画、工芸、版画など約170点に加えて、戦争柄の着物や、グラフ雑誌・漫画、絵本などの印刷物も、当時の社会や世相を知るための貴重な資料としてともに展示致します。

開催場所: 企画展示室
観覧時間: 午前9時30分から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日: 月曜日(11月23日は開館)、11月24日(火) [ カレンダー
観覧料: 一般 800(700)円、大高生 500(400)円、中小生以下無料 
*( )内は20名以上の団体/11月3日は無料公開日
主 催: 栃木県立美術館、下野新聞社
助 成: 芸術文化振興基金、公益財団法人ポーラ美術振興財団
後 援: 朝日新聞宇都宮総局、NHK宇都宮放送局、エフエム栃木、産経新聞社宇都宮支局、東京新聞宇都宮支局、とちぎテレビ、栃木放送、日本経済新聞社宇都宮支局、毎日新聞社宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局
川島理一郎
《広東大観(原題:占領即建設の広東)》
1939年
足利市立美術館蔵
清水登之
《題名不詳[待機]》
1938-42年頃
栃木県立美術館蔵
桂ユキ子(ゆき)
《作品(原題:賀象)》
1940年
東京国立近代美術館蔵
上村松園
《美人観書》
1941年頃
東京富士美術館蔵
©東京富士美術館イメージアーカイヴ/DNPartcom
吉田博
《急降下爆撃》
1941年
個人蔵
長谷川春子
《小婦国防》
1943年
栃木県立美術館蔵
飯塚琅玕齋
《華籃 霊峰》
1944年
栃木県立美術館蔵
戦争柄着物
《大観飛行機献納柄一つ身》
個人蔵
赤松俊子(丸木俊)
《裸婦(解放されゆく人間性)》
1947年
個人蔵
古沢岩美
《なぐさめもだえ》
1949年
板橋区立美術館蔵
新居広治
《高萩にて1》
1950年
栃木県立美術館蔵
岡上淑子
《戦士》
1952年
栃木県立美術館蔵

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