企画展 [真岡発:瑛九と前衛画家たち展
― 久保貞次郎と宇佐美コレクションを中心に]

真岡発:瑛九と前衛画家たち展 ― 久保貞次郎と宇佐美コレクションを中心に

企画展 [真岡発:瑛九と前衛画家たち展―久保貞次郎と宇佐美コレクションを中心に]
開催期間 2014年4月19日(土)― 2014年6月22日(日)

 戦後1950年代に前衛的な版画や絵画、フォト・デッサンなどに特異な才能を発揮した瑛九(1911-60)は、真岡市の素封家で戦後の新しい美術運動や美術教育の推進者ともなった久保貞次郎(1909-96)と戦前から知己を得ていました。
 その縁で、久保の活動に参加した額縁作家の宇佐美兼吉(1916-1999)が瑛九と知り合い、1950年代の貴重な作家刷りのエッチングやリトグラフをはじめとした絵画、フォト・デッサン等254点と、久保貞次郎が支援した作家たちの作品29点のコレクションを形成し、1994年に一括して真岡市に寄贈しました。
 本展は、宇佐美コレクションの瑛九作品を第1部とし、第2部では瑛九らのデモクラート美術家協会の作家たちを始め、北川民次、オノサト・トシノブ、靉嘔、磯辺行久,池田満寿夫ら、久保貞次郎周辺の作家たちの作品を、2013年真岡市に寄贈された久保コレクションを中心に構成し、一堂に展観するものです。従来交友が知られていた作家以外にも、桂ゆきや草間彌生、殿敷侃などの初期作品や、深沢史朗、笹島喜平、飯野農夫也ら栃木県・北関東の版画、そして傾倒したヘンリー・ミラーの豊かな水彩画や版画など、久保の幅広い柔軟な視野によって集められた多彩な作品群に驚かされずにはいられません。1972年に開館した栃木県立美術館の現代版画コレクションも、こうした久保貞次郎の版画収集や出版活動と足並みをそろえるように形成されていったのでした。
 本展が、前衛画家の支援に加えて、創造美育協会(創美)を設立し美術教育運動を推進するなど、創造的生活のプロデューサーとも言える久保貞次郎の多面的な活動を、あらためて振り返る端緒となれば幸いです。久保の存在によって栃木県真岡市が、戦後の美術教育および前衛美術運動を育んだ揺籃の地であったことを再発見することができるでしょう。

【出品作品】

第1部 宇佐美コレクションの瑛九を中心に

 エッチング、リトグラフ、フォト・デッサン、油彩、水彩など 約120点

第2部 久保コレクションを中心に

北川民次、細江英公、泉茂、加藤正、玉井瑞夫、オノサト・トモコ、内間(青原)俊子、内間安瑆、靉嘔、池田満寿夫、磯辺行久、オノサト・トシノブ、エメット・ウィリアムス、桂ゆき、草間彌生、竹田鎭三郎、木村直道、木村光佑、吉原英雄、藤本よし子、島州一、関根伸夫、殿敷侃、利根山光人、深沢史朗、木村利三郎、小田まゆみ、吉田克朗、久保卓治、笹島喜平、古川龍生、小野忠重、新居広治、飯野農夫也、ワルワーラ・ブブノワ、ヘンリー・ミラー、滝川太郎ほか 
版画、絵画、写真、立体等 37作家 約160点

主 催: 栃木県立美術館、下野新聞社
協 力: 真岡市
後 援: 朝日新聞宇都宮総局、NHK宇都宮放送局、エフエム栃木、産経新聞社宇都宮支局、東京新聞宇都宮支局、とちぎテレビ、栃木放送、日本経済新聞社宇都宮支局、毎日新聞社宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局
瑛九《ともしび》
1957年
リトグラフ
真岡市蔵(宇佐美コレクション)栃木県立美術館寄託
瑛九《黄と白と青の編目》
1957年
油彩
真岡市蔵(宇佐美コレクション)栃木県立美術館寄託
瑛九《春の風》
1951年
フォト・デッサン
真岡市蔵(宇佐美コレクション)栃木県立美術館寄託
瑛九《エッチング集『小さい悪魔』2ヴァイオリン》
1952年
真岡市蔵(宇佐美コレクション)栃木県立美術館寄託
草間彌生《名声を喰う男》
1954年
水彩
宇都宮美術館蔵(久保貞次郎旧蔵)
靉嘔《Move by rainbow an animal! #12》
1965年
真岡市蔵(久保コレクション)
オノサト・トシノブ《12の円》
1958年
栃木県立美術館蔵
磯辺行久《Work'63-8》
1963年
栃木県立美術館蔵
池田満寿夫《女2》
1961年
ドライポイント
真岡市蔵(宇佐美コレクション)栃木県立美術館寄託
殿敷侃《ドームのレンガ》
1977年
真岡市蔵(久保コレクション)
北川民次《タスコの裸婦》
1941年
木版
真岡市蔵(久保コレクション)
竹田鎭三郎《ユカタン》
1971年
水彩
真岡市蔵(久保コレクション)
新居広治《農婦(砂川)》
1955年
木版
真岡市蔵(久保コレクション)
飯野農夫也《山》
1975年
木版
栃木県立美術館蔵