企画展

マンハッタンの太陽
THERMODYNAMICS OF THE SUN
光学芸術から熱学芸術への拡張:18世紀から21世紀の“太陽画”の系譜

企画展 [マンハッタンの太陽]

山中信夫《マンハッタンの太陽(1)》1980年 栃木県立美術館蔵

開催期間 2013年7月13日(土)― 2013年9月23日(月・祝)

1970年代、80年代のニューヨークはアートが燦然と輝く創造の街でした。

そのマンハッタンを手製のピンホール・カメラを抱えて、まるで金環食のようなまばゆい写真に仕立てたひとりの日本人アーティストがいました。1979年の第15回サンパウロ・ビエンナーレに参加した帰路、マチュピチュを撮影した山中信夫(1948-82年)です。1980年に山中はこのマンハッタンで数多くの傑作を生み出しました。帰国後、《マンハッタンの太陽》は1980年から81年にかけて制作された《東京の太陽》へと発展し、《マチュピチュの太陽》とともに1982年の第12回パリ・ビエンナーレ(パリ市立近代美術館)で大きな注目を集めながらも、帰国途上に再び立ち寄ったニューヨークでわずか34年の生涯を閉じました。

山中の若き晩年のピンホールがとらえた黄金色に輝く円環は“太陽画”の起源を再考させるものであり、太陽をたんなる光源としてだけではなく、巨大なエネルギーを放出する熱源として捉えなおし、視覚(光学)に限定されていた美術を熱学へと拡張するものでした。

本展は、山中信夫の作品や関連資料を中心に、18世紀から21世紀までの20余人のアーティストたちの約140点の絵画、彫刻、写真、映像、版画、インスタレーション、映画によって、光源としての太陽と熱源としての太陽の両面から、可視光線を越えたエネルギー源としての太陽と私たちとの関係を考察・鑑賞・体験するものです。

主 催: 栃木県立美術館
助 成: 芸術文化振興基金、公益財団法人 花王芸術・科学財団、財団法人ポーラ美術振興財団
後 援: 朝日新聞宇都宮総局、NHK宇都宮放送局、エフエム栃木、産経新聞社宇都宮支局、下野新聞社、 東京新聞、宇都宮支局、とちぎテレビ、栃木放送、日本経済新聞社宇都宮支局、毎日新聞社宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局
主要作品作家

ウィリアム・ブレイク、J.M.W.ターナー、ヨーゼフ・ボイス、河原 温、イミ・クネーベル、河口龍夫、殿敷 侃、若江漢字、アンゼルム・キーファー、佐藤一郎、山崎 博、畦地拓治、山中信夫、柴田敏雄、アンディ・ゴールズワージー、鈴木理策、中ザワヒデキ、福田美蘭、志水児王、冨井大裕、田中功起、松井 茂、五月女哲平

ウィリアム・ブレイク
《エドワード・ヤング『夜想』》
1854年(初版1797年)
栃木県立美術館蔵
山中信夫
《マチュピチュの太陽(1)》
1979-80年
栃木県立美術館蔵
山中信夫
《東京の太陽(76)》
1980年
栃木県立美術館蔵
山中信夫
《9階上のピンホール》
1975年
栃木県立美術館蔵
中ザワヒデキ
《数列S30#5 (1122211222333322...)》
2009年
Gallery Cellar蔵
志水児王
《transparent element - positive》
2012年
参考図版 撮影:木奥恵三
冨井大裕
《gold finger》
2013年
参考図版
山崎 博
《Heliography Day and Year》
1982年
個人蔵

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