企画展

開館40周年記念企画(4)
アジアをつなぐ
-境界を生きる女たち 1984-2012

企画展 [コレクション万華鏡 西洋名画から無名画家の発見まで─美術館活動40年の成果]
開催期間 2013年1月26日(土)― 2013年3月24日(日)

アジアの女性アーティストに焦点を絞った日本初の大規模な展覧会を開催します。アジア地域に生まれ、活動し、また海外に拠点を移す人も含めて、1980年代から現在までの作品を一堂に会し、女性たちの身体や社会、歴史など多方面にわたる関心の有りようや、表現の多様性、時代的な変化を概観するものです。

今日、アジアの女性アーティストは国際展にもしばしば参加するようになり、生涯、アーティストとして活動を続ける女性も増えて来ました。しかし、このような状況は中国を筆頭とするアジア諸国の経済成長を背景にして、国際社会の関心がアジアに向くようになり、またジェンダー意識が社会全般に高まった近年のことであり、長い間、特に日本では、アジア美術や、さらにアジアの女性アーティストに対して、関心が注がれることはきわめて稀れでした。 そこで本展では、「アジア」「女性」という立場で制作してきたアーティストたちの軌跡をたどるとともに、アジアの女性アーティストが、むしろその二重のマイノリティ性、あるいは各地域によって異なる様々な社会的制約を逆手にとって、しなやかに制作をしてきた作品をできうる限りバラエティ豊かにご紹介いたします。 そこではマイノリティの声の集積ではなく、「アジア」「女性」「アート」が掛け合わされたところで生まれる、新鮮な魅力と熱気に満ちた創造性に出会うことができるでしょう。

西はパキスタンから、インド、バングラデシュ、中国、フィリピン、シンガポール、台湾、韓国など、日本を含めた16か国・地域の48人による、約110件の作品を5章に分けてご紹介いたします。

主 催: 栃木県立美術館
助 成: 芸術文化振興基金、公益財団法人吉野石膏美術振興財団、ポーラ美術振興財団
後 援: 朝日新聞宇都宮総局、NHK宇都宮放送局、エフエム栃木、産経新聞社宇都宮支局、下野新聞社、とちぎテレビ、栃木放送、日本経済新聞社宇都宮支局、毎日新聞社宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局
第1章 女性の身体-繁殖・増殖、魅惑と暴力の場
イースギョン(韓国)
《翻訳された壺》
2009年 
Courtesy of Ota Fine Arts
ジョン・ジョンヨプ(韓国)
《種》
2003年
ユン・ソクナム氏蔵
第2章[1]女性と社会-女性/男性の役割、女同士の絆
アマンダ・ヘン(シンガポール)
《もうひとりの女 No.2》
1996-97年
福岡アジア美術館蔵
ニェ・レイ(ミャンマー)
《制限された事柄の関係性》
2010年
福岡アジア美術館蔵
第2章[2]女性と社会-ディアスポラ、周縁化された人々
イー・イラン(マレーシア)
《スールー諸島の物語 地図》
2005年
森美術館蔵
第3章 女性と歴史-戦争、暴力、死、記憶
塩田千春(日本・ドイツ)
《Bathroom》
1999年
ケンジタキギャラリー蔵
山城知佳子(日本)
《コロスの唄》
2010年
東京都写真美術館蔵
第4章 女性の技法、素材-「美術」の周縁
イン・シウジェン(中国)
《スーツケース2001》
2001年
福岡アジア美術館蔵
キムスージャ(韓国)
《縫うように歩く─慶州》
1994年
作家蔵
第5章 女性の生活-ひとりからの出発
ツァオ・フェイ(韓国)
《影夢人生》
2011年
作家蔵
町田久美(日本)
《ことほぎ》
2008年
個人蔵

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