地に生きる
Living on the Earth
生存之地
生存之地
땅에 살다

大胆な色彩で描かれた栃木県の農民の姿
Peasants from Tochigi portrayed in daring colors.
運用大膽的色彩描繪了栃木縣農民的姿態
运用大胆的色彩描绘了栃木县农民的姿态
대담한 색체로 그려낸 도치기현 농민의 모습
20年間に及ぶ外国生活を終えて帰国した清水登之は働く人、とりわけ農民の姿を堂々とした姿で描くようになる。この作品でも日陰で休息する母子の姿が大きく描かれている。背景にはいかにも北関東らしい平地が広がり、農夫が耕作に励んでいる。強い陽ざしと涼しげな木陰がくっきりと対比されているが、雲一つない空の青と大地の鮮烈な赤の対比にも目を奪われる。同じ年に描かれた《地に憩う》と同一のサイズ、似た題名である。2点の作品が描かれた1931年の4月から、画家は読売新聞に連載された住井すゑの「大地にひらく」という小説の挿絵を担当しており、作品のテーマや作品名にはその影響もうかがわれる。