初夏の風

Breeze of Early Summer
初夏的風
初夏的风
초여름 바람

川上澄生

KAWAKAMI, Sumio
川上 澄生
川上 澄生
가와카미 스미오

1926(大正15)年
紙、木版多色刷
22.8×35cm


宇都宮で暮らした版画家の代表作。初夏の恋の幻想を描いた。

A representative work by a print artist who lived in Utsunomiya. It portrays a reverie of an early summer love.
生活在宇都宮的版畫家的代表作. 描繪了幻想中的初夏之戀.
生活在宇都宫的版画家的代表作. 描绘了幻想中的初夏之恋.
우쓰노미야에 살았던 판화가의 대표작. 초여름 사랑의 환상을 그림.


画面中央に古風なドレスを着た女性が立っている。その女性のスカートが風に吹かれて大きく翻っている。女性は驚き、おののいているように見える。よく見ると彼女を囲んで吹いている風は、風であると同時に筋肉もたくましい男たちの姿である。画面には「かのひとのまわりを吹く初夏の風になりたい」という意味の詩が添えられている。女性に恋する気持ちと、荒々しくも生命力に満ちた初夏の自然とが重なりあった日本近代美術の生んだ名作のひとつである。後に世界的版画家となった棟方志功は若き日にこの作品を見て版画家になる決心をしたという。