ジグザグ立方体
Zigzag Cube

美術館の前庭、入口に向かう来館者を出迎えるように設置された本作品は、作者自身がもっとも気に入った作品の一つであったという。美術館の開館が1972年なので、開館2年後から美術館の玄関の番人として現在の場所にとどまっていることになる。
堀内は言う。連結立方体連作期に入ってから制作された《ジグザグ立方体》だが、その後この形の内部を調べるうちに三つの立方体が相互に貫入しあって結合した形と解釈する方が面白くなった、と。
このような抽象彫刻の原点は、16歳の少年時分に読んだ村山知義の『現在の芸術と未来の芸術』であったという。こうして1920年代の衝撃は、堀内の作品を通して、私たちの目に触れることになった。