Lotus(蓮)
Lotus

ユン・ソクナムは打ち捨てられた木を組み合わせて、女性の身体を作ってきた彫刻家である。
この《 Lotus(蓮)》は、手前の小さい女性像とそれを見守るように、壁に沿って立てかけられた大きな木片の女性像の一対からなる。大きい女性像は、ユンの敬愛する朝鮮王朝時代の女性詩人ホ・ナンソルホン(許蘭雪軒)。手前で高く伸ばした手の先に蓮の花を掲げるのは、ユン・ソクナム自身だという。ユンら現代の女性は、歴史の女性に見守られ、伸び伸びと自分の道を歩むかとも見えるが、彼女の背後に回ると虚を衝かれるだろう。その背中にはびっしりと赤く塗られた釘が半月状に打たれているのだから。痛烈な痛みを抱えながら、それでも希望の蓮を掲げる女性。ユンの彫刻は女性たちを勇気づけてやまない。