兵隊と僧侶(トレド郊外)
Soldiers and Priests, Toledo
兵隊與僧侶 (托雷多郊外)
兵队与僧侣 (托莱多郊外)
병사와 승려 (톨레도 근교)

早春のスペイン、トレドで取材したどこかユーモラスな光景
A scene captured in Toledo, Spain early in spring, which is somehow humorous.
取材於初春的西班牙托雷多郊外, 蘊藏著幽默的光景
取材于初春西班牙托莱多的郊外, 蕴藏着幽默的光景
이른 봄 스페인 톨레도에서 취재한 어딘가 유머러스한 광경
1925年の2月から5月にかけて、清水登之はスペインを旅した。前年の春にニューヨークからパリに移り、ひと冬をパリで越した後のことだ。真冬のパリの陰鬱な天候の中で、スペインの輝かしい陽光への憧れがつのっていたことだろう。スペインではマドリッドを中心に滞在し、プラド美術館でティントレットの作品の模写やスペイン独特の風物の取材を行っている。古都トレドには3月に3週間ほど滞在した。
本作品にはトレド郊外での士官学校の生徒たちの練兵が描かれている。号令に合わせ、足並みをそろえているが、遠方から望むそれにはどこかユーモラスな趣も感じられる。前景の高台には僧侶たちの姿がある。静と動、肉体と精神、そして光と闇といったスペインの風土や文化に見られる強いコントラストが画家の描きたかった主題かもしれない。