風景・タンバリンをもつ女
Landscape: Woman with Tambourine
風景・拿著鈴鼓的女人
风景・拿着铃鼓的女人
풍경・탬버린을 든 여자

TURNER, Joseph Mallord William
特納, 約瑟夫 瑪羅德 威廉
特纳, 约瑟夫 玛罗德 威廉
터너 조지프 말로드 윌리엄
1840-50年頃
カンヴァス、油彩
88.5×118cm
絵の中からにじみ出るような光を描いたターナー晩年の名作
A masterpiece by Turner in his later years portraying light that seems to shine through from inside the picture.
彷彿像是從畫中滲透出來一般的光線, 是特納晚年的名作
仿佛要从画中渗透出来一般的光线, 是特纳晚年的名作
그림 속에서 배어 나오는 빛을 그린 터너 만년의 명작
光を受けて白く輝く霧の中に古代風の橋の廃墟が見える。左側には笠のような枝ぶりの松が高く伸びている。イタリアの風景を思わせるが、描かれた場所は特定できない。終生イタリアの光への憧れを抱き続けたターナーの心の中の風景であろう。
ターナー晩年の、すべてのモチーフがおぼろげな光の中に溶け込んでいくかのような画風を示しているが、この風景のイメージは、クロード・ロランの影響下、画家が早くに発想したものであった。1807年から出版の開始された版画集『研鑽の書(リベル・ストゥディオルム)』には「タンバリンをもつ女」として本作品の構図が示されている。タンバリンをたたく女性、その音に誘われて踊りだそうとする幼児、草を食む動物など、モチーフに大きな変更はないものの、本作品に見られる内側から滲み出すような輝かしい光は、ターナーが到達した晩年の境地を示している。