デダムの谷
Dedham Vale
戴德姆谷
戴达姆谷
데덤의 계곡

イギリス人の心のふるさとを描いた19世紀イギリス風景画の名作
A fine 19th century English landscape painting depicting the Englishman’s spiritual home.
描繪了英國人心中的故鄉, 是十九世紀英國風景畫的名作
描绘了英国人心中的故乡, 是十九世纪英国风景画的名作
영국인의 마음의 고향을 그린 19세기 영국 풍경화의 명작
イギリス東部、サフォークとエセックスの州境付近、コンスタブルの故郷の風景である。画家の生家は、この画面では見えないが、左手高台のイースト・バーゴルトの村にある。通った小学校はデダムの村、画面中央に塔の見える教会の隣にあった。すなわちこの絵は、画家の少年時代の通学路を高台から見下ろしていることになる。
何の変哲もない風景画に見えるが、この作品が描かれた19世紀初頭において、風景が神話や聖書の物語の背景としてではなく、それ自身のために描かれるというのはきわめて革新的なことであった。日の光を受けて輝く雲など印象派の表現を予告するかのようである。
その一方で、この作品の構図は、クロード・ロランの《ハガルと天使》から大きな影響を受けている。おだやかなイングランドの風景であるが、そこではヨーロッパの古典的な伝統と19世紀の革新とが激しいせめぎあいを演じているのである。