企画展 [川上澄生:木版画の世界]

川上澄生:木版画の世界

企画展 [川上澄生:木版画の世界]

《初夏の風》1926年 22.8×35.0cm 木版多色刷、紙

開催期間 2010年10月30日(土)― 2010年12月23日(木・祝)
前期:10月30日(土)― 11月23日(火・祝)
後期:11月25日(木)― 12月23日(木・祝)

横浜に生まれ、東京で育った川上澄生(1895-1972)は、青年時代の北米放浪を経て、26歳で旧制の宇都宮中学校(現・宇都宮高等学校)の英語教師となり、ほぼ時を同じくして本格的に木版画の制作を手がけるようになりました。その後、戦時中の北海道疎開の数年間を除き、他界するまでのおよそ50年間にわたって宇都宮の地で制作を続けています。戦後は宇都宮女子高等学校でも教鞭を取ったことから、多くの教え子や弟子たちに恵まれ、親しまれ愛されてきた版画家といえます。
1920年代に隆盛をほこった創作版画運動ではその一翼を担い、脚光を浴びました。1926年に《初夏の風》を見た棟方志功が感銘を受け、ほどなく版画家を志すようになったことは、よく知られているとおりです。
しかし、川上澄生は生涯にわたって素人版画家であることを自認し、独自の創作世界を展開し続けます。日々の生活や少年時代への郷愁、そして江戸時代や明治時代への憧憬を南蛮ものや明治調の木版画に刻み、実に多くのイメージを世に送り出しました。
本展では、開館以来、長きにわたり川上澄生のコレクションを続けてきた栃木県立美術館の1000点に及ぶ所蔵品から、名品の数々をご紹介します。これまで未紹介だった水彩画による青年期の自画像や、川上澄生旧蔵の版画雑誌などの資料と合わせて、木版画、油彩画、水彩画、硝子絵、焼絵、絵本、おもちゃなど約500点を2期にわけて展観します。

※前期・後期で大幅な展示替えがあります。出品目録はこちら(PDF:711KB)をご覧ください。
※世田谷美術館での展示(2010年3月13日~5月9日)とは一部内容が異なります。

■展示構成

一 物語―版画絵噺 : 《イソップ物語》1947年、《あだんとえわ》1948年ほか 
二 静物―古物愛好 : 《黒き猫》1922年頃、《卓上静物》1924年、『時計』1944年刊、『ランプ』1940年刊ほか 
三 風景―回想・幻想景 : 《異国小景》1922年、《ウナラスカの教会》1924年、《野球大会之図》1927年、《日本新八景版画 第一集 華厳滝及其他》1929年ほか 
四 人物―浪漫奇譚 : 《初夏の風》1926年、《仮装舞踏会》1921年、《的》1928年ほか 
五 南蛮―渡来文化絵図 : 《南蛮ぶり》1955年、『蛮船入津』1944年刊ほか 
六 明治調(1)―少年懐古 : 《薬売り》1927年、《女と洋燈(吊り洋燈と煙草を吸う祖母)》1972年ほか 
七 明治調(2)―ハイカラ古風 : 《時計店の図》1930年、《ゑげれすいろは静物》1936年ほか 
八 木版画工房―朴花居と亜艶館 : 蔵書票、自画像ほか 
特別展示 : 棟方志功《星座の花嫁》1928-1930年

主 催: 栃木県立美術館 
協 賛: 東武宇都宮百貨店 
後 援: 朝日新聞宇都宮総局、NHK宇都宮放送局エフエム栃木下野新聞社とちぎテレビ栃木放送、日本経済新聞社宇都宮支局、毎日新聞社宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局
《仮装舞踏会》1921年
23.5×12.5cm 木版多色刷、紙
《黒き猫》1922年頃
28.2×9.2cm 木版二色刷、紙
《風船乗り》1927年
19.2×24.0cm 木版多色刷、紙
《飛んでいる昆虫》1932年
17.5×14.2cm 木版多色刷、紙
《村童野球戯之図》1936年
30.5×40.0cm 木版単色刷、紙
《むすめ一人にむこ八人》1942年
18.0×13.6cm 木版単色刷、手彩色、紙
《花を持てる女》1954年
24.2×21.0cm 木版多色刷、手彩色、紙
《南蛮ぶり》1955年
40.0×54.5cm 木版多色刷、手彩色、紙