企画展

柄澤齊展
宙空の輪舞(ロンド)
版画、オブジェ、水彩、本 1971-2006

企画展 [柄澤 齊展 -宙空の輪舞(ロンド)]
開催期間 2006年7月16日(日)― 2006年9月3日(日)

1950年日光市に生まれた柄澤齊(からさわ ひとし)は、日本の木口(こぐち)木版画の第一人者として20歳代の初めから活動を始め、すでに30年以上にわたって活躍して来ました。さらに版画のみならず、版画本来の複数性による世界への伝播を基盤とし、本の装丁や挿絵の仕事にも腕を振るい、自ら梓丁室という出版工房を主宰するに至っています。その一方でエッセーも執筆し、ミステリー小説『ロンド』によって下野文学大賞を受賞するなど、文学的才能もいかんなく発揮しています。こうした柄澤の関わるどんな形の作品にも、現代の美術が排除してきた文学に対する深い愛情が、いきいきと脈打っていることは間違いないでしょう。

本展は柄澤齊の初めての本格的な回顧展として、木口木版画の初期から現在に至るまでほぼ全作品を展観すると同時に、オブジェや水彩・素描の細密画、墨による大作など、多様な作品約220点と装丁本などの資料により、柄澤齊の多面的な活動の全貌を紹介いたします。会期中の公開制作やワークショップの開催も、柄澤の版画制作にじかに触れるまたとない好機となるでしょう。

主 催: 栃木県立美術館、日光市、日本経済新聞社
後 援: エフエム栃木、下野新聞社、とちぎテレビ、栃木放送
構成

第1章 木口木版画 約120点
第2章 コラージュ、モノタイプ 約40点
第3章 リーヴル・オブジェ 約30点
第4章 水彩・素描(細密画) 約30点
第5章 墨の作品 7点
第6章 装丁・装画・挿絵 約15点
第7章 公開制作・ワークショップ

*会期中、版画、コラージュ作品の展示替えを行います。

前期:7月16日(日)~8月13日(日)

初期版画 《頭》他 約30点
〈肖像〉シリーズ Part1
『死と変容』第1集「夜」
コラージュ 約10点、ほか

後期:8月15日(火)~9月3日(日)

初期版画 《貝》他 約30点
〈肖像〉シリーズ Part2
『死と変容』第2集「洪水」
コラージュ 約10点、ほか

『死と変容』I-3《日蝕》
1986-88年 
栃木県立美術館蔵
『死と変容』I-8《旅》
1986-88年 
栃木県立美術館蔵
版画集『掌宇宙I 仮面』
1982年
作家蔵
挿絵本『雅歌』
1984-85年 
作家蔵
《ノアの船IV》
1975年
個人蔵
《Hans》
1989年
個人蔵
《婚姻I, II》
1992年
個人蔵
《風》
1992年 
彩鳳堂画廊蔵
《肖像XLI グレン・グールド》
1998年 
栃木県立美術館蔵
《雷神》
2003年 
栃木県立美術館蔵

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