企画展

パウラ・モーダーゾーン=ベッカー
時代に先駆けた女性画家

企画展 [パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 時代に先駆けた女性画家]
企画展 [パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 時代に先駆けた女性画家]

パウラ・モーダーゾーン=ベッカー
《眠る子ども》1904年頃、個人蔵(パウラ・モーダーゾーン=ベッカー財団寄託)

開催期間 2006年4月2日(日)― 2006年5月28日(日)

パウラ・モーダーゾーン=ベッカー(Paula Modersohn-Becker, 1876-1907)は、ドイツ表現主義を先駆け、31歳の若さで夭折した女性画家です。ドレスデンで生まれ、すぐにブレーメンに移りますが、ロンドンとベルリンで絵画を学びました。その後、ブレーメン近郊に位置する小村ヴォルプスヴェーデに移住し、この芸術家村を代表する画家として知られています。

ヴォルプスヴェーデ芸術家村は、19世紀末に画家や詩人たちが自然を求めて各地に移り住んで形成された芸術家コロニーのひとつです。ここには、日本でもよく知られている詩人ライナー・マリア・リルケや、後にリルケの夫人となるパウラの親友の彫刻家クララ・ヴェストホフ、そして早くも雑誌『白樺』で日本に紹介された画家ハインリヒ・フォーゲラーらがいました。さらに、パウラが師事したフリッツ・マッケンゼン、後に夫となるオットー・モーダーゾーン、またハンス・アム・エンデやフリッツ・オーヴァーベックなどといった画家たちが集い、パウラは彼らと親密な交友関係を結んでいました。

1900年以降のパウラ・モーダーゾーン=ベッカーは、大都市パリにもたびたび滞在するようになります。そこでセザンヌやゴーギャン、マティスらの芸術に触れたことが、彼女の芸術を飛躍的に発展させました。ヴォルプスヴェーデの交友関係のなかで育まれた芸術と、大都市で展開していた新しい芸術の息吹は、ともに彼女の芸術に豊穣な実りをもたらし、素朴さと大胆さとが魅力的な独自の画風を獲得するにいたりました。そして、非常に短い生涯ながらも、先駆的な画家と呼ぶにふさわしい充実した作品群を遺しました。

本展は、画家パウラ・モーダーゾーン=ベッカーの全貌をヴォルプスヴェーデ芸術家村の仲間たちの作品とともに紹介する、日本で初めての回顧展です。画家ゆかりのコレクションの協力を得て、絵画45点、素描74点、版画7点で、彼女の生涯にわたる画業を回顧します。あわせてヴォルプスヴェーデの芸術家たちの絵画12点、素描8点、彫刻3点、版画集3件36点、その他写真および資料も展覧します。パウラ・モーダーゾーン=ベッカーの作品とヴォルプスヴェーデの芸術家たちの作品をあわせ、総数185点を一挙に紹介する展覧会です。

主 催: 栃木県立美術館、読売新聞東京本社、美術館連絡協議会、東京ドイツ文化センター
後 援: ドイツ連邦共和国大使館
協 賛: 花王株式会社
協 力: ルフトハンザ ドイツ航空、ルフトハンザ カーゴ AG
企画協力: パウラ・モーダーゾーン=ベッカー財団、クンストハレ・ブレーメン、パウラ・モーダーゾーン=ベッカー美術館、ifaドイツ対外文化交流研究所

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