企画展
6月のイギリス
ホガースからホックニーまで
イギリス美術の250年
![企画展 [6月のイギリス]](images/title-image.jpg)
ジョン・コンスタブル《デダムの谷》 1805-17年頃
開催期間 | 2005年6月11日(土)― 2005年7月10日(日) |
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6月はイギリスの自然が美しく輝く季節です。長くきびしい冬を越えてきた木々は日ごとに緑を濃くし、庭にはバラが咲き誇ります。人々はいつまでも日の沈まない夕べをゆったりと過ごします。そのような美しい島国で、美術もまた多彩な花を開いてきました。
18世紀、イギリスは豊かな財力を背景に、ヨーロッパの美術品を盛んに買い入れました。貴族や富裕階級の子弟たちは大陸への大旅行(グランド・ツアー)を行い、古代の文化を学ぶとともに、新しい潮流をイギリスに伝えました。イタリアやオランダの画家が仕事を求めてイギリスに渡る一方で、イギリスの画家たちはローマに向かうなど、海峡をはさんで盛んな文化交流がなされたのです。そうした中でウィリアム・ホガースは自国の美術の創生に目覚め、「イギリス美術」と呼びうるものの確立に力を尽くしたのでした。
豊かな自然に恵まれたイギリスでは早くから風景画が盛んでした。19世紀にはふたりの巨匠、J.M.W.ターナーとジョン・コンスタブルが登場し、ヨーロッパの伝統を引き継ぐとともに新しいヴィジョンを生み出して、西洋風景画における頂点を築きました。
その後もイギリス美術は多様な展開をとげます。19世紀後半ヴィクトリア朝の、個人の生活や感情を強く反映した親密な表現。20世紀前半におけるモダニズムの実験。1960年代にはポップ・アート発祥の地としてデイヴィッド・ホックニーやパトリック・コールフィールドが活躍します。21世紀の今日に至るまで、イギリス美術の独自のありようは、世界の注目を集めてきたのです。
美しい自然と豊かな伝統、そして多様な背景を持つ文化に育まれてきたイギリスの美術。今回の展覧会では33作家68点の作品によってその歴史をたどります。
主 催: | 栃木県立美術館 |
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後 援: | NHK宇都宮放送局、エフエム栃木、下野新聞社、とちぎテレビ、栃木放送 |
主要出品作家
ウィリアム・ホガース、リチャード・ウィルソン、トマス・ゲインズバラ、ウィリアム・ブレイク、J.M.W.ターナー、ジョン・コンスタブル、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、オーブリー・ビアズリー、バーナード・リーチ、ベン・ニコルソン、ヘンリー・ムーア、ハワード・ホジキン、パトリック・コールフィールド、デイヴィッド・ホックニー
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ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 《レディ・リリス》 1867年 個人蔵(栃木県立美術館寄託) |
ウィリアム・ホガース 《娼婦一代記》より 1732年 |
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リチャード・ウィルソン 《アクア・アチェトーサ》 1754年頃 |
トマス・ゲインズバラ 《牛追いのいる風景》 1781年 |
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トマス・ローランドソン 《シンタックス先生の旅行記、ピクチュアレスクを求めて》より 1812年 |
ウィリアム・ブレイク ロバート・ブレア《墓》より 1808年 |
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J.M.W.ターナー 《タンバリンをもつ女》 1840-50年頃 |
ジョン・マーティン 《失楽園》より 1846年 |
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リチャード・ドイル 《妖精の国にて》より 1875年 |