企画展
ギュンター・ユッカー 「虐待されし人間」

《樹》 1992年
開催期間 | 2004年7月18日(日)― 2004年9月12日(日) |
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「もし、目のまえに死体が横たわっていたならば、痛みに泣き叫ぶ者がいたならば、
そこで芸術家は出来事の現実性や重大さから目を背けてはしまわないか。」
(ア-ティストの言葉より)
1950年代の末、グループ〈ゼロ〉という前衛美術運動の中で頭角をあらわしたドイツ現代美術界の巨匠ギュンター・ユッカー(1930年生まれ)は、 カンヴァスに釘を打ちつけた独自の絵画でモダニズムの静的な空間に波動を起こしました。
釘による純粋造形はやがて、釘のもつ象徴的な意味性を深め、今日の私たちすべてに強く訴えかける痛みの造形ともいうべきものに発展しました。
この展覧会〈虐待されし人間〉は、ベルリンの壁の崩壊と米国同時多発テロの間に制作された絵画、彫刻、インスタレーションによる14点(組)の大作と、「人間による人間の侵害」と題 された私たちの非人道性を告発する60の言葉からなる作品による壮大な現代の黙示録です。
物体を打ち砕き、粉々にし、釘を打ちつけ、傷つけることによって、〈虐待されし人間〉、すなわち人間の危機、人間の脅威を表現するギュンタ-・ユッカ-の特異な造形は、テロ、拉致、虐待という言葉が日常化した私たちの時代そのものを映し出すものです。
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《吊り石の森》 1992年 |
《大きな黄色の絵画》 1992年 |
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《道具》 1992年 |
《テーブル》 1992年 |
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《かまど》 1992年 |
《鞭挽き盤》 1992年 |
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《攻撃的領域》 1992年 |
《灰まみれの庭》 1992年 |