企画展
鉄道と絵画
夢はこぶモダン列車

オーガスタス・エッグ《旅の道連れ》1862年 バーミンガム市立美術館
©Birmingham Museums & Art Gallery
開催期間 | 2003年11月1日[土]ー 2003年12月23日[火・祝] |
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19世紀の初めに実用化された蒸気機関車による鉄道は、近代科学技術の重要な発明であり、物資の輸送手段として、また革新的な交通手段として、人々の行動半径を一挙に拡大するような大転換をもたらしました。鉄道という視点から近代美術を見直すと、鉄道開発時代の沿線風景版画はもとより、イギリスの風景画やヴィクトリア朝の風俗画、ドーミエの漫画やフランスの印象派による都市風景や田舎の風景、さらには未来派の速度のイメージや、シュルレアリストの心象風景にいたるまで、実に多様な展開を見せていることに気づきます。近代の日本においても、鉄道錦絵を始めとして、記憶に残る絵画や版画が少なからず存在していますし、また、ポスターや写真、映像などのメディアでも、鉄道の速度や機械の美が重要なモティーフになっていることも忘れることはできません。
本展は、19世紀のイギリス、フランスを皮切りに、20世紀のアメリカや戦前の日本に至るまで、鉄道に関わる作品を、初めて本格的に集成した展覧会です。欧米から日本までの作家約130人による、絵画、版画、写真あわせて、約200点を展観いたします。それによってさまざまな近代をめぐる表現が、鉄道という新しい視点から、鮮やかに浮かび上がってくることでしょう。
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クロード・モネ 《サン=ラザール駅:駅の前の線路》 1877年 ポーラ美術館(ポーラ・コレクション) |
トマス・タルボット・ベリー 《サンキー・ヴァレーにかかる高架橋》 (「リヴァプール・アンド・マンチェスター鉄道の彩色風景」より) 1831年刊 栃木県立美術館 |
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オノレ・ドーミエ 《屋上席で旅する楽しみ》 (「鉄道の相貌」より) 1852年 アルベルティーナ美術館 © Albertina, Wien |
フランシス・F.パーマー 《「稲妻特急」列車、「連絡駅を出発する」》 1863年 ニューヨーク市立美術館 © The Museum of the City of New York, The Harry T. Peters Collection |
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三代歌川広重 《東京汐留鉄道御開業祭礼図》 1872年 交通博物館 |
長谷川利行 《汽罐車庫》 1928年 交通博物館 |
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松本竣介 《鉄橋近く》 1944年 岩手県立美術館 |
小関庄太郎 《遠い汽車》 1941年 福島県立美術館 |