企画展

創造の手わざ
近代工芸・栃木の七星

三井安蘇夫《真昼の杜》1972年 個人蔵

開催期間 2003年4月19日[土]ー 2003年6月15日[日]

豊かな自然に恵まれ、自然とともにある栃木県の暮らしは、自然から生まれた素材と暮らしから生まれた手わざとによって、暮らしの用や彩りに供する手工芸を生み出してきました。そうした風土に引き寄せられ、あるいは、そうした風土に生まれ、育まれた手わざが近代的知性による創造性を得た時、手工芸を超えて、かつてない創造としての近代工芸が開花しました。栃木の風土が引き寄せて開花したもの、栃木に育まれて開花したもの、これら栃木との関係において開花した近代工芸は、同時に日本の近代工芸を形成する上で、きわめて重要な役割を果たしました。

陶芸の近代から現代までを代表する三人の人間国宝・濱田庄司、田村耕一、島岡達三。20世紀陶芸の到達点・加守田章二。近代工芸としての竹工を確立した飯塚琅かん斎。鍛金に近代的金属造形への道を開いた三井安蘇夫。近代染色の確立に参加し、染色の用途性も拡大した高久空木。7人の巨匠それぞれの創造的な手わざとともに、それらを育んだ栃木県をあらためて見つめなおします。

濱田庄司
《白釉黒流描大鉢》
1972年
栃木県立美術館蔵
田村耕一
《刷毛目鉄絵葡萄文大壷》
1973年
東京国立近代美術館蔵
島岡達三
《塩釉象嵌縄文皿》
1979年
栃木県立美術館蔵
加守田章二
《曲線彫文筒》
1970年
個人蔵
飯塚琅玕斎
《華籃 富貴》
1945年
個人蔵
飯塚琅玕斎
《花籃 鳴戸》
1930年頃
個人蔵
 
高久空木
《ポピー 染名古屋帯(部分)》
1986年
栃木県立美術館蔵

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