コレクション展 Choice4 ミュージアムズ・チョイス「この1点」

Choice 4: 渡辺豊重《鬼》

2012年1月14日[土]-2012年3月25日[日]

真っ黒なものがパワーショベルのような手?それとも頭?を伸ばし、足を動かしています。ぎこちない動きがユーモラスでもあり、描かれたものは人ではなくおそろしいモノである、という証しでもあるようです。ごわごわして厚ぼったく丈夫な韓紙に青墨や松煙、木炭、アクリル、パステルを力強く塗り込んで制作されたため、紙がめくれ上がっている箇所もあり、作者の気合いが伝わってきます。

作者の渡辺豊重は1931年東京生まれ、馬頭町のアトリエで制作しています。一貫して生きることの喜びを、ユーモアやエロスを含んだ弾むような形と鮮やかな色彩の絵画や版画、立体で表現してきましたが、新作「鬼」のシリーズでは、一転して社会への反発や怒りを黒々とした鬼に凝縮させ、画面に噴出させました。

渡辺豊重(わたなべ とよしげ)
WATANABE, Toyoshige
《鬼》
2009年
韓紙、青墨、松煙、木炭、アクリル、パステル
撮影:上野則宏(Norihiro Ueno)
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