竹網代まんじ繋文高盤

Footed tray with fret pattern “Ajiro (wickerwork)” weave
網代萬字繫文高盤
网代万字系文高盘
아지로만지 계문 고반

飯塚小玕齋

IIZUKA, Shokansai
飯塚 小玕齋
饭塚 小玕斋
이즈카 쇼칸사이

1976(昭和51)年

48×48×12.5cm


竹の性質を生かした繊細で格調高い造形美

A delicate and refined work of art bringing out the best of the characteristic of bamboo.
運用竹子的特質編製出纖細而格調高雅的造形
运用竹子的特质编制出纤细而格调高雅的造型
대나무의 성질을 살린 섬세하고 격조 높은 조형미


日展から日本伝統工芸展へ活躍の場を移した頃の作品。見込にはまんじ(卍)繁文が緻密に表され、整然と並べられた丸ひごが爽やかな趣を加味している。竹でなければできない美しい意匠である。飯塚小玕齋は「用」に適う形をとることを前提として、竹工芸作品を立体造形と捉え、その置かれる空間とどのように調和するかを考えていた。

小玕齋は自らの制作を「真・行・草」の概念に例えている。「真」は精緻な編みで形も左右相称、「草」は自由な編みで個性の表れる形、「行」はそれらの中間である。「真」の作品の制作にあたっては、形や文様について熟考を重ね、まず正確な図面を描く。それをもとに材料の長さや幅、本数まで計算する。格調高い作風は、綿密な設計と入念な準備に裏付けられている。

1979年、小玕齋は宮内庁より正倉院宝物の調査員を委嘱され、1982年には、重要無形文化財「竹工芸」の保持者に認定された。竹を深く敬愛していた彼は、そのままでも美しい竹を割って作る以上はさらに美しいものを生み出さなければならないと考え、制作に取り組んでいたのである。