松巌書屋図

Landscape
松巖書屋圖
松严书屋图
송암서옥도

高久靄厓

TAKAKU, Aigai
高久 靄厓
高久 霭厓
다카쿠 아이가이

19世紀前半
絹本着色
116.7×48.7cm


中国絵画の影響を受けた江戸時代の画家の風景画

A landscape painting by an Edo period artist who was influenced by Chinese painting.
受到中國繪畫影響的江戶時代畫家的風景畫
受到中国绘画影响的江户时代画家的风景画
중국 회화의 영향을 받은 에도시대 화가의 풍경화


大きな岩に沿うように松の巨木が立っている。その奥の竹の茂みの向こうに高士が読書をしている簡素な家がある。岩の手前では、人物とその従者がその家に向かって歩いている。向かって右手の巨岩を回り込むように流れている小川は、視線を奥へと誘っている。遠くにある高く険しい岩山は、そこに住むこと、そしてたどりつくことの厳しさを暗示しているようだ。

中国、日本の山水画の伝統的な遠近の表現に「高遠、平遠、深遠」がある。本図では、遠山に高遠の、巨岩を囲むように描かれた小川や小道、松、書屋には深遠の手法が見られる。また、山中に隠棲する高士は、文人画の格好の画題で、中国、日本を通じて多く描かれているものである。日本だけではなく中国の文人画をよく学んだ靄厓らしい一作。