風をためて
Saving the Wind
風的擁抱
风的拥抱
바람을 모아서

物思いにふけるような現代の若者の姿
A young man of the present day seemingly lost in deep thought.
沉浸在思考中的年輕人的身影
沉浸在思考中的年轻人的身影
수심에 잠긴 듯한 현대 젊은이의 모습
青年が顔を心持ちうつむき加減にして物思いにふけっている。光のあたり具合によって、彼は表情を変えるのだが、何とはなしに寂しげで見る者の心をひきつけるところは変わらない。
舟越桂の彫刻は、いつもこうした人物の半身像で、楠を削ってできた体に、大理石の眼をはめられ、自然な彩色がなされている。どの彫刻も、名前をつけたいような個性があり、人格を備えているようだ。舟越自身は、それぞれにさまざまな連想を誘う詩的なタイトルを与えている。「風をためて」の青年の風はどの季節のものだろうか。そんなことを思いながら向き合ってみるのも楽しい。
舟越桂はニューヨークやロンドン、ドイツの各都市でも個展を開催し、その作品は世界で人気を博している。