作品-たとえば波打ち際にてII

Painting on the Edge II
作品 - 宛如波臨岸邊Ⅱ
作品 - 宛如波临岸边Ⅱ
작품 - 예를들면 물가에서Ⅱ

中西夏之

NAKANISHI, Natsuyuki
中西 夏之
中西 夏之
나카니시 나츠유키

1984-1985(昭和59-60)年
カンヴァス、油彩
194×142cm


1960年代から活躍してきた画家の思考に満ちた作品

A work full of the thinkings of an artist who was active from the 1960s.
從1960年代開始活躍於畫壇的畫家, 是一幅充滿思考的作品
从1960年代开始活跃于画坛的画家, 是一幅充满思考的作品
1960년대부터 활약해 온 화가의 생각이 넘치는 작품


画面四隅と縦辺中央に灯火状の明るい六つの形態を配し、縦長の楕円がそれらをつないでいる。六つのポイントは画面やや上部に配置され、楕円の下部に暗い色彩のポイントが置かれることにより、この作品が縦長であることと上下の位置が決定され、画面を安定させている。六つの灯火を避けるように、画面全体はくさび状の白いストロークで覆われる。画面全体はくり返し描かれる形とストロークによって、中心も周辺も等しく眼差しを誘う。灯火状の形態やくさび状形態の周囲に近接してほの暗い色彩が置かれることにより、画面全体が浮遊したような奥行を現出させている。この奥行は現実空間の再現ではなく、絵画空間独自のもの。60年代に反芸術を標ぼうした時期から一貫して絵画を探求してきた中西の成果のひとつと位置づけられる。