ルソー・キット「フットボールをする人々」

Rousseau Kit “The Football Players”
盧索 立體模型 “踢足球的人們”
卢梭 立体模型 “踢足球的人们”
루소・키트 “풋볼을 하는 사람”

絵画は立体や空間を平面上にあらわす芸術だが、この作品は逆に平面であるルソーの絵画《フットボールをする人々》を立体に「復元」している。グッゲンハイム美術館に所蔵されるオリジナルの絵画には存在しない絵画の「側面」を見ることもできる。青木は他にもセザンヌやゴッホ、光琳などの作品も「キット化」し、「AOKIT」としてシリーズ展開している。プラスチック・モデルを模した箱の側面に配された青木制作所のマークには3つの顔が並び、それぞれ「ア」「オ」「キ」と発音している。「AOKIT」の展示には共通した特徴がある。本体とともにくりぬいた部分や収納箱も一緒に置いて、完成一歩手前の未完成な状態をインスタレーションとして見せるのである。青木の作品には平面と立体、オリジナルと複製の関係など、読み解くカギはさまざまにあるが、作者本人は完成に近づくときの「わくわく感」を大切にしているらしい。