赤壁図
The Red Cliff
赤壁圖
赤壁图
적벽도

江戸時代の巨匠が中国の詩から思い描いた幽玄な風景画
A subtle and profound landscape by an Edo period master envisaged from a Chinese poem.
江户時代的繪畫大師,描繪源自中國古詩的意境幽深的風景畫
江户时代的绘画大师描绘源自中国古诗的意境幽深的风景画
에도시대의 거장이 중국의 시에서 그려 낸 그윽한 풍경화
この絵の描かれた文政9(1826)年は文晁の晩年期にあたり、既に関東文人画壇の大御所として大きな影響力を誇示していた頃。文化文政期における文晁の山水画は、古画を重視する姿勢や真景表現への関心による写実的傾向、そして水蒸気溢れる水墨表現を特徴とする。本図には、夏珪や玉澗といった中国水墨画の大家からの影響、さらには写生を超えた自然の描出という同時代表現の到達点さえも見ることができる。
描かれている画題は、中国宋時代の詩聖蘇軾が、長江に面した断崖の絶景を詠んだ「赤壁賦」のイメージ。その内容は「初秋の明月の夜、蘇軾は客人と酒を飲み、唱歌する。客人が歌に合わせて洞簫を吹く。蘇軾がその悲哀に満ちた音色の理由を問うと、客人は人生のはかなさを愁えていたからだと答える。これに対して、蘇軾は物事の可変性と不変性を説き、江上の清風と山際の明月の美しさを受け入れるように説く。そして、語り合い酒を酌み交わした2人は酔いしれて寝てしまった。」というもの。