地下鉄の雑踏

Subway (Communication in the Under Surface)
雜亂擁擠的地鐵站
杂乱拥挤的地铁站
지하철의 혼잡

古田土雅堂

KOTATO, Gado
古田土 雅堂
古田土 雅堂
고다토 가도

1923(大正12)年
カンヴァス、油彩
96×70cm


ニューヨークで活動した画家の未来派を思わせる作品

A Futuristic painting by a Japanese artist who was active in New York.
活躍於紐約畫壇的畫家, 令人聯想到未來派的作品
活跃于纽约画坛的画家, 令人联想到未来派的作品
뉴욕에서 활동한 화가의 미래파를 연상시키는 작품


地下鉄の構内を高い場所から見下ろしている。両側に車両が入り、プラットフォームは乗降する人々で埋め尽くされている。群集の表現方法は特異である。顔の描かれている人物はほとんどおらず、手足さえ明瞭でない。まるでエノキ茸の株が風に揺れているようだ。

古田土は東京美術学校で学んだ日本画家であったが、渡米し、ニューヨークの森村ブラザーズに勤務した。日本で製造し、主としてアメリカに輸出する陶器の絵付けデザインを数多く制作している。一方、当時ニューヨーク在住の国吉康雄、清水登之、石垣栄太郎らとも親交を結んだ。年長であり経済的にも安定していた古田土はその中心的人物のひとりとして活動していたようだ。油彩画の作例はきわめて少ないが、未来派に呼応するかのような大胆な作風を示している。