日本橋浜町河岸

View of Riverbank, Nihonbashi, Tokyo
日本橋濱町河岸
日本桥滨町河岸
니혼바시 하마쵸의 강가

石川寒巌

ISHIKAWA, Kangan
石川 寒巌
石川 寒严
이시카와 칸간

1910(明治43)年
カンヴァス、油彩
41.1×27.4cm


日本画家として大成する画家が若き日に油絵で描いた東京の風景

A view of Tokyo painted by an artist, who later became a great nihonga (Japanese-style painting) artist, in his young days.
著名的日本畫畫家, 年輕時代所描繪的東京的風景
著名的日本画画家, 年轻时代所描绘的东京的风景
일본화가로서 대성하는 화가가 젊은 날에 유화로 그린 도쿄의 풍경


早くから文学や美術への興味を抱いていた石川寒巌は、大田原中学校卒業の半年後には、憧れの東京へ向けて出発した。当初は東京美術学校への入学を希望したようだが、結局かなわず、また病も得て、1年足らずで帰郷することになった。しかし、太平洋画会研究所などに通い、絵画の勉強を本格化させた時期でもある。

本作品は、この上京時に制作された油彩画で、いわば南画家として活躍を始める前の青年期の作品である。印象派風の表現で、夕暮れ時の隅田川の川面をとらえる。まだ20歳の青年にとり、単身での東京生活は期待と不安に満ちたものだったに違いない。隅田川の河岸を歩いては、郷里の父母を思い出していた様子が日記に残されている。そんな情景を思い起こさせる作品である。