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石川寒巌

ISHIKAWA, Kangan
石川 寒巌
石川 寒严
이시카와 칸간

1934(昭和9)年
紙本着色
170×366cm(×2)


装飾性と写実性をあわせ持つ画家晩年の大作

A masterwork demonstrating both decorativeness and realism painted towards the end of the artist’s life.
融合了裝飾性與寫實性的作品, 是畫家晚年的巨作
融合了装饰性与写实性的作品, 是画家晚年的巨作
장식성과 실용성을 겸비한 화가 만년의 대작


1920年代半ばから日本南画院を舞台に活躍してきた寒巌の作風に変化が現れるのは、1930年頃のことである。それまでの味わい深い独特の風景表現から一転、花鳥画などが増えるとともに、写実的傾向と装飾的要素を特徴とする作品を発表するようになっていった。

本作品は、画帖の《世説新語》とともに、1934年の日本南画院展に出品された六曲一双の屏風である。大画面にツツジと軍鶏が描かれ、写実性と装飾性をあわせ持ちながら、南画らしい気韻も保っていると好評を博した作品である。

しかし、日本南画院展への発表は、この時が最後となった。翌1935年を病気入院と療養で過ごした寒巌は、1936年、ついに46歳の若さでこの世を去ってしまうからである。それは折しも日本南画院が解散する年でもあった。